さいたま市 新築の小ワザ公開
改造工事の時に撤去された部品(廃棄用)改造は各種コンベアでも行なわれた。
いずれも補強工事だった。
この結果へ改造部分は五〇カ所にのぼり、企業体が主張する、「既に完成されたシステム」と言うには、遠く及ばないような状態だった。
もっともへ改造工事は処理能力の確保と、トトラブルの防止のみに極力重点が置かれたため、のちに大変な問題が新たに生ずることになった。
しかし、この段階ではメーカーの企業体ですらへこれを予測することはできなかった。
〔大改造工事が終わるや火災事故〕九九年(平成十一年)一月末へようや改造工事の主な部分が終了して、企業体は一年ぶに試運転を始めた。
重大なトトラブルも発生せずへごみ処理は一見順調に運んでいるかに見えた。
これを受けて、組合当局も、議会に対して工事の進捗状況へ改造工事による試験結果、さらにはRDFセンターの現場視察まで設定した。
二月末からは予備性能試験、続いて性能試験へと移一、三月上旬、この成果が組合議会などに報告され、記者会見も開かれてシステムの完成が報告された。
発注した組合、予算を承認した議会も、とあえず、「やれやれ」といった雰囲気が濃厚に漂っていた。
そしてへ三月二十七日、センターで正式な開所式がU御殿場市長へO小山町長、地元関係者ら多数が出席して、にぎにぎし行なわれた。
企業体からも、グループ筆頭のM商事から常務取締役が参列した。
式典の中で、管理者の御殿場市長はこれまでのートラブルの経過に言及して、「苦戦しながらも、ようや処理能力の確保と安定的な運転が保証できる状態となった」と安堵の声をもらした。
しかし、M商事の常務は、「組合には大変ご迷惑をおかけしました」だけにとどまり、住民への謝罪はなかった。
それでもこの、住民軽視とも受け取れる中途半端な挨拶に対して、組合も議会も、企業体に対してひと言の抗議すら発しなかった。
その後へ残った細部の改善工事が行なわれて、予定された一応の処置が終わった。
五月二十四日には、改造工事の報告書と今後の事項に係わる提案書に関する合意書を、組合と企業体が締結して、同月二十七日には改造工事を保証する確約書が企業体から提出された。
この報告で企業体側は改造費について、当初の積算額二〇億円を大幅に上回り、総額四四億九二〇〇万円に及んだが、全額われわれが負担しますと、大見得を切った。
さらに、搬入できなかったごみの処理費九億七四〇〇万円も当方で負担するとへサービスぶりを見せて、太っ腹なところを強調した。
しかし、この種の工事を経験したことのある専門家に尋ねると、四四億円は根拠がないと指摘する。
そもそも改造工事は機器類の不具合を除去するためのものでへこの機器類の正味値段だけを見れば一〇億円程度ではないか、と専門家は試算する。
つまり、企業体は不具合をもたらした殺庇による部分の改善以外、ありとあらゆる項目、本来、改造とは直接的な関係が疑わしいと見られる諸経費も計上して、提示したのではないかへとその積算根拠を疑うのだ。
ともあれ、この報告書に納得した組合側は、センター建設費の残金三三億六一万円を九九年度出納閉鎖期限(当該年度内に終了した事業に対する支払い期限)となる五月三十一日午後、企業体の口座に振込んだ。
ところが、同夜へ予想だにしなかった大事故が起こってしまった。
午後十時五十分ごろ、御殿場市小山町消防本部に警備会社を通じてへセンターの火災通報が飛び込んだ施設の火災だけに、本部も緊急出動の態勢をと一、通常の消防車のほかへ化学消防車まで派遣した。
火災はセンターを全焼させるほどの大事には至らなかった。
しかし、火元となったRDF乾燥機と周辺の機器類は焼け焦げて全滅へ大量の水や消火液を浴びて見るも無残な有様となってしまった。
消火にあたった消防職員の話によると、駆けつけた当初、乾燥機の胴体部分が過熱して真っ赤になった状態を確認、尋常の事態でないことを実感したという。
火災発生は、以前から度々不調だったB系列で起こった。
火元の乾燥機は、手前の圧縮成形機で固形燃料の形となったRDFにも約八〇度の熱風を吹きつけて水分過多のRDFを乾燥させる設備である。
圧縮成形機は、主反応機で可燃ごみと生石灰を混ぜて、ある程度水分を除去したものが送こまれてる場所。
ここでは、直径一五ミリ程度の多数の孔(ホール)が開けられた円筒状のクロム合金製のダイと呼ばれる内側に、生石灰と反応を済ませたごみが圧力をかけられて注入される。
するとダイの内部にセットされたすこぎの役目を果たす二個のロールによって、ご鵬みはゴリゴリとやられて、高速回転から生じる遠心力の原理で孔から固くなったごみが外に飛び出して、コンベアで次の工程の乾燥機に運ばれる。
この圧縮成形機での巨大な圧力と高速回転が原因で、以前からRDFの炭化現象、あるいは軽い発煙が確認されていた。
火災事故当日も昼間、ちょっとした発煙があり、作業員が急いで圧縮成形機と乾燥機への搬出コンベアをとめて、中にあったRDFをかき出して発煙を治めていた。
しばらして、作業員は危険がないことを確認し、再びRDFを乾燥機に戻していた。
現場検証の報告では、火災原因はどうやらへこの時RDFの一部におき火の状態となっていたものがあり、これが数時間後に発火したとのことであった。
この火災に一番慌てたのは、組合管理者の御殿場市長。
翌朝へ青ざめた顔をしてセンターに駆けつけた。
表情もひきつ一、容易ならざる事態に追い込まれた自分を感じている様子だった。
ともかも、大改造工事は無事終了へ今後大きなトトラブルは一切あませんと確約書を添付し、センターは完壁と太鼓判を企業体から押されて、虎の子の公金三三億円を払った当日の深夜、大災害につながかねない火災事故を引き起こしたという不祥事は、信じたくないのが本音だっただろう。
センターが東名高速道路に近接するだけに、大火災に発展すれば、東名の通行止めも考えられ、事故の持つ意味の垂太さを関係者はつづと味わった。
火災発生により、消防本部や警察の現場検証でまた、しばら稼働はストップした。
一段落したところで、管理者・U市長からの強硬な申し入れもあり、企業体は安全対策に必死に取り組んだ。
火災が発生しやすい処理機器類の細部に至るまでへ無数の温度センサーや一酸化炭素検知器を設置して再発防止に努めた。
またへ事故原因や安全対策を精密な設計図とともに、組合や議会に報告して、了解を取付けるべ働いた。
ところが、再発防止の無数のセンサー類設置の影響によ一、主反応機、圧縮成形機、乾燥機周辺は腫れ物にさわるほど、繊細な状態となった。
ちょっとした湿度変化や、安全範囲内での一酸化炭素の発生でも反応することがしばしば起こ一、システムは突然の緊急停止を繰返すという、漫画的な状態を繰返すようになってしまった。
〔センターで使えないRDF〕一応の安全対策も終わ一、九九年六月RDF処理システムは三度目の正式稼働を始めたかに見えた。
しかし、思いがけない伏兵が待っていた。
センターで製造したRDFは、当初計画では一部をセンターの専用ボイラーで燃焼して、次々と生産されてるRDFの乾燥用に使う熱風をつくり出すことになっていた。
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